ドキュメンタリー映画
ひいらぎとくぬぎ

ドキュメンタリー映画
ひいらぎとくぬぎ

東村山市と多磨全生園入所者自治会が進めている「じんけんのもり」構想に強く賛同し、9ヶ月ほどかけて制作したドキュメンタリー映画。

国立療養所多磨全生園はハンセン病の後遺症の方々が長く入所している施設。

ハンセン病が完治できる病気となった今、入所者は高齢化に伴い、減少の一途をたどっている。

療養所というにはかなりの広さがあり、そこには多くの木々が生い茂り、森の様相をなしている。

この場所には深い悲しみをともなった長い歴史がある。

果たしてこの場所で過去にどのようなことがあったのか。それを知る人はとても限られていると言わざるをえない。今、本当に伝えなくてはいけないことの一つだと強く感じた。

企画当初、資料調査を進めていくにつれ、どのような映像として表現するべきかを長らく逡巡していた。

病気の苦しみは当然だが、それ以上に「人間としてどのように扱われたのか」が問題だと思った。
この社会的な苦しみを表現する最上の方法は、劇映画にすることという結論に至った。視聴者にとってはそれが本当に理解できる方法だと思った。それは今でも変わらない。

ただ一つ大きな問題があった。

予算である。長い尺の劇を撮影できる予算では到底なかった。

プロデューサーの中森春司氏を中心に、スタッフ、キャスト全員が手弁当で参加していただいたことで、どうにか映画の実現に至った。今でも皆には深く深く感謝している。未だに大したお返しができていないことがとても気になっている。

東村山市、自治会、中森氏、スタッフ、キャスト全てが一丸となって、気持ちを一つにしたからこそ実現した企画だとつくづく感じる。

Category

Documentary, DVD Blu-ray, Screen